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Q-info 第85号 2015年01月発行 読者訪問

カテゴリー[読者訪問]

第60回 読者訪問

お伺いした会社 こと京都株式会社
お話を伺った方 代表取締役 山田 敏之 様
事業内容    九条ネギ生産・販売
会社の所在地  〒612-8236 京都府京都市伏見区横大路下三栖里ノ内30番地
連絡先など   TEL:075-601-0668   FAX:075-601-0662
URL     http://www.kotokyoto.co.jp/

こと京都様画像

 今回は九条ネギの売上でグループ全体で年商10億円に近づき、全国的にも注目されている
農業生産法人こと京都株式会社の山田社長にお話をお伺いしました。
 山田社長は農家の次男としてお生まれになり、32歳までアパレルメーカーにお勤めになっていました。
30歳頃から独立志向が強くなったものの、農業を営んでおられる実家は次男ということで事業継承を
考える状況ではありませんでした。しかし、農産物は外国から安く仕入れればよいという風潮の中、
食の安全性や環境に強い関心を持ち、これからは環境や食が重要になる、つまり農業の重要性も
増してくるのではないかと考えはじめた矢先、お母様が交通事故に遭われ、教師をなさっているお兄様が
戻れない状況の中で、実家の家事を手伝う必要にも迫られて農業を引き継ぐことを考えはじめます。
実家が農家であるからこそ継ぐことができる選ばれた環境の中にいることに気付き、
「農業は若いモンがするもんじゃない」というまわりの反対を押し切って就農されました。
 就農時に1億円の目標を掲げられましたが、初年度の売り上げが400万円と農業の難しさを実感されました。
しかし、やるからには農業で1億円の売上を目指そうといろいろな野菜生産をしていた業態を
変更して周年栽培できるネギに特化。父親の反対を押し切ってカット葱の販売を手掛け、
特にラーメン店をターゲットに事業を展開。カット葱をビニール袋に詰めて東京のラーメン店を
一件ずつまわり、京都の九条葱を生産している農家が売りに来ましたとアピールして販路を拡大されました。
有名ラーメン店からも注文がもらえるようになり、7年目に1億円の売上を達成されます。
葱の仕入~加工~販売を手掛ける“ネギ屋”といわれる葱商社が京都に100社ほどあったそうですが、
ネギ屋が儲かるなら農家がやればもっといいと、九条ねぎの生産~加工~流通販売を一貫して行う
ビジネスモデルを確立されました。そして、昨年9月にはそのビジネスモデルが「京都創造者賞 企業部門」に
選ばれ、山田知事、門川市長、立石京商会頭らから表彰されました。
賞状

『この賞がどの賞よりも嬉しい』と山田社長はおっしゃっていました。
 食の安全がいろいろ取りざたされる中、中国ギョーザ問題が発生したときには売上目標を
10億円に上方修正し、ホテル偽装事件が発覚するとさらに15億円に計画変更されました。
そして、今年2月には現在の本社工場の2倍の規模の向島工場を竣工されます。また九条ネギ以外のネギを
扱う「こと日本株式会社」を東京に設立するなど、ますます事業を拡大されています。
 昨年、それまで使っておられた販売管理システムが限界だということで当社にお声掛けいただき、
『はんばいQ』をベースにした新システムを導入させていただきました。
本社~城南宮工場~美山養鶏場~東京事務所(こと日本)を結ぶネットワークが完成し、事務処理の効率化に
寄与させていただいております。
 今回いろいろ山田社長にお話を伺い大変大きな刺激をいただきました。常に上を目指して目標を設定し、
それをクリアしてまた上方目標を設定して登っていく。京都が誇る元気企業として他の中小企業の
目標となるよう、ますます頑張っていただきたいと思います。