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Q-info 第75号 2014年03月発行 読者訪問

カテゴリー[読者訪問]

読者訪問 第50回

お伺いした会社  柳原出版株式会社
お話を伺った方  代表取締役社長 柳原 浩也 様、代表取締役 柳原 喜兵衛 様
会社の所在地   〒615-8107 京都市西京区川島北裏町74
連絡先など    TEL:075-381-1010   FAX:075-393-0469
e-mail      yanagihara-pub@celery.ocn.ne.jp

8代目現会長と9代目現社長

 創業300年を迎えられた柳原出版さまを訪問し、8代目社長で現会長の柳原喜兵衛様と現9代目
社長の柳原浩也様にお話をお伺いしました。
 京都には老舗が多く創業100年以上の会社が少なくないというふうには思っていましたが、300
年とお聞きすると、『そりゃえらいもんや』と思わずにはいられません。

昔の書籍目録

 そこでちょっと調べてみました。日本には創業100年を越える会社が何社あるのか、また300年
を超える会社は? 東京商工リサーチの調べによると、2012年時点で全国で創業100年を越える
会社は27,441社あるそうです。
更に「200年以上300年未満」が835社、「300年以上400年未満」が582社、そして「500年以上」と
いう会社も158社あるといいます。では、京都が多いのかどうか。都道府県別で創業100年を超える会社数を
調べてみると、第1位が東京都で2,058社、第2位が愛知県で1,211社、3位が大阪府で1,080社、そして京都府
は第4位で1,030社だそうです。しかしそれぞれの都府県ごとの事業所数に占める割合を計算してみると、京
都府が1.08%でトップ、東京都や大阪府は0.5%くらいで京都の半分です。
ということはやはり京都には古い会社が多いということになりますね。
 さて、それはともかくとして、現会長の柳原喜兵衛様が平成8年に出版された「覚書『河内屋から柳原出版
まで』」と題した一冊の記録書があります。それを頂戴して読んでみました。

『河内屋から柳原出版まで』

 それによりますと柳原出版様が河内屋という屋号で創業されたのが正徳
4年(1714年)だと記されています。つまりちょうど300年前です。江戸幕
府第八代将軍徳川吉宗の時代です。そして、代々、喜兵衛という名前を継
いでこられた由、現会長も平成8年に柳原喜兵衛を家庭裁判所の手続きを経て襲名されたとい
うことなどからはじまり、ご当家の歴史が連連と記されています。
 当社もちょうど創業33年を迎え、パソコン業界では老舗だと自負しておりますが300年の重
みにはかないません。このような歴史ある会社様とお取引させていただいていることを誇り
に思わないといけないと思いました。
 さて、この柳原出版様、現在は歴史/文化/社会などの教育専門書などを出版されています。
出版会社というと角川文庫や新潮社、講談社などを思い浮かべますが、大学教授などが
執筆する専門書の出版会社ですから、私たちが普段あまり目や耳にする機会は多くはあ
りません。実際に毎年新たに出版する書籍は10冊くらいまでだそうで、まさに専門書に
特化されておられます。
 一方、東京に支店があり、こちらは書籍の取り次ぎ、すなわち書籍の卸売をされてい
ます。それも、生活協同組合さんをお得意先として各種の書籍を取り扱っておられます。
弊社の販売管理システム『はんばいQ』をお使いいただいているのですが、本社と東京
支店とでは仕様が異なり、東京支店では生協さんに提供する書籍カタログのデータ提供
や、生協さんから送られてくる発注電子データの取り込みなどのカスタマイズを施してご提供させていただいております。
 出版業界も時代の変化と共に大きく変わりつつあり、電子書籍などが台頭してきて先行き不安な面もあるかと思うのですが、
同社では前述しましたように専門書を中心に出版されており、美術書など紙媒体でなければならないものも多く、今後、電子
書籍とうまく住み分けながら生き残っていくだろうとおっしゃっていました。また、自費出版なども手掛けておられますので、
新たな出版物の企画があれば是非持ち込んで欲しいとおっしゃっておられました。
 300年という歴史に支えられ、400年、500年と永続的に維持発展されますことを期待して帰路につきました。