Q-info 第200号 2024年8月発行 【”一丁噛”が行く!】
第185回:QRコード
パリ・オリンピックが開幕し、毎日寝不足になっておられる方も少なくないのではないでしょうか。
セーヌ川での入場行進など、今までのオリンピックとはひと味違った演出も話題になっていますが、今回のオリンピックではいろいろなエリアへの入場許可証や観戦チケットなどにQRコードが多く使われています。
先月号で“QRコード乗車券”のことを書きましたが、今やQRコードはあらゆるシーンで使われています。
このQRコード、日本の発明だとご存じでしたか?
開発当初は日本国内だけで使われていたようですが、今や世界中で見かけるようになりました。
QRコードは1994年、(株)デンソーウェーブ(当時は(株)デンソーの一事業部)が開発し発表しました。
QRコードという名前は“Quick Response”から名付けられたそうですが、それまで広く使われていたバーコードでは英文字20文字程度の容量しかなかったので、もっと多くの情報を持たせたい、漢字やカナにも対応したいということで開発されました。特にバーコードは一定の方向からしか読み取ることができなかったのですが、縦と横の2次元に情報を持たせどの角度からでも読み取ることができる、しかも高速で読みとれるということをテーマに開発されました。
開発プロジェクトがスタートして1年半、試行錯誤の末ついに数字で約7,000文字、漢字・カナで約1,800文字の容量を持ち、しかも瞬時に読み取れるQRコードが誕生したのです。
デンソーはもともと日本電装という自動車部品の製造会社でしたので、トヨタのカンバン方式の電子かんばんに使われたのが最初で、そのうち食品業界、薬品業界など、特にトレーサビリティで製造過程を明らかにしていく社会の動きにも押され広く使われ出しました。
またデンソーウェーブは特許を取ったものの「特許権は行使はしない」と明言し、世界中で使われるようになりました。いまやスマホで簡単に瞬時に読み取れ、クーポンの取得や電子チケットなど、至る所で使用され、ビジネスと人々の生活に欠かせないものとなっています。
(一丁噛)