実務に合った販売管理・生産管理のシステムで業務効率の改善をサポートします!

京都府京田辺市河原平田23番地の16

0774-63-1131

Q-info 第201号 2024年9月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

第176回
株式会社大槻シール印刷

お話を伺った方 代表取締役会長 大槻 裕樹  様
会社の所在地  〒601-8342 京都府京都市南区吉祥院東前田町36
電話番号    TEL 075-691-7521 FAX 075-691-7523
事業内容    シール印刷業
HP      http://www.otsuki-seal.co.jp/

シール印刷の特殊性を活かして
~単なる印刷屋ではなく加工屋です~

 私と年齢も創業年も同じ大槻シール印刷の大槻会長をお訪ねしました。
同社は1981年創業で今年43年目を迎えておられます。大槻会長とは京都中小企業家同友会でお会いしてから20年あまりになりますが、お互いにあまり仕事の話はせずにもっぱら同友会の話ばっかりしてきたような気がします。
 格安ネット印刷の台頭で印刷業界は厳しい状況になっているのではと思いながらお話を伺いに行きました。

ミクロンの世界で技術がものをいう

 大槻会長はもともとシール印刷屋さんに勤めておられました。営業をやっておられたのですが機械に興味を持ち、シール印刷の機械を覚えました。そしてのれん分けのような格好で独立されました。
 シール印刷は特殊です。ロール状のシール台紙に印刷をしながら型を抜いていきます。台紙を切らずに型抜きするために0.1mmの精度で機械の調整をしなければなりません。まさに技術力がものをいう世界。
「シール屋は印刷屋というより加工屋や」とおっしゃいます。またロール紙に印刷する機械がかなり高価だそうで、多額な設備資金と高度な技術を要することから新規参入はあまりなく、瓶のラベルや各種機械に貼付するラベルなどラベルシールの市場規模もそんなに変化していないので、比較的安定的に業績は推移しているそうです。しっかり差別化ができる業界なんですね。

障がい者雇用も継続しながら次世代に繋いでいきたい

 現在スタッフは24名でそのうち障がいを持っている人が2名いらっしゃるのだそうです。何年か前に同友会の方の紹介で聴覚障がいを持った人をアルバイト採用されたのが最初。当初は少し不安もあったそうですが真面目に働いてくれるということでそののち正社員として採用しました。現在はコミュニケーションが苦手な精神障がいの子もいるということですが、現場仕事を真面目にやってくれて助かる上に社会貢献もできることの喜びもあり、今後も障がい者雇用は継続してやっていきたいとおっしゃっていました。
 今までは瓶メーカーや包装資材屋などBtoBでの取引が主だったのですが、自動車の修理業者と連携して車の小さなキズを隠すシール(キズ隠シート)を開発し、“町のシール屋さん”としてBtoCにも注力されています。今後は更に趣味のグループなどを対象に個人使用のシールの制作も積極的にやっていきたいとおっしゃっていました。
 障がい者雇用も継続しながら“町のシール屋さん”としても、そしてまた、事業承継も進めながら次世代に繋いでいかれることを祈念して帰路につきました。

(米田)