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Q-info 第199号 2024年7月発行 【スタッフのつぶやき】

カテゴリー[コラム/Qinfo, スタッフのつぶやき]

 コンピューターシステムの世界では「こんなに長く使われるとは思わなかった」という事態が時おり発生します。

有名な例として「2000年問題」があります。
多くのシステムで西暦を下2桁だけで記録していたため、2000年になると1900年と区別がつかなくなり、不具合が起こるのではと懸念されました。実際そのままでは不具合が発生したでしょう。
しかし、当時の皆さんの頑張りにより大きな問題にはなりませんでした。

もう少し専門的な例としては「IPv4」が挙げられます。
インターネットに接続する機器にはIPアドレスという番号が必要ですが、IPv4という仕組みではその番号が約43億個用意されていました。これが途方もない数に思えたのは、パソコンやスマホが普及する前のことです。
現在では43億のIPアドレスはほとんど使い果たされてしまいました。今はIPv6という新しい仕組みへの移行が進められており、こちらでは340澗(かん:1澗=1兆の1兆の1兆倍)という、多すぎてなんだかよく分からない数のIPアドレスを利用できます。

これらの事例は、将来のことを考えていなかったわけではありません。
西暦の下2桁で管理しようと決めた当時の人々は、そのシステムが2000年まで使われるとは思っていませんでした。
43億個のIPアドレスも充分すぎる数に思えたはずです。
なにしろ43億です。直感的に考えれば使い切るとは思えなかったでしょう。当時のシステムの負荷を考えれば、西暦下2桁と43億という数字は「その時の正解」だったのです。

しかし、同じシステムを長期間使い続けると「その時の正解」が「今の正解」とズレてきます。この現象が冒頭の「こんなに長く使われるとは思わなかった」につながります。
これはある種の宿命であり、特効薬のような解決策は見つかりにくいのが現実です。
使っているシステムが現在の業務の正解と一致しているか、定期的な見直しをおすすめします。

システム開発部 浅井 康太