Q-info 第192号 2023年12月発行 【“一丁噛”が行く!】
第178回:関西弁
先日、ネットを見ていたら関西人が気付いていない関西弁というのがありました。
『この、さらのカッターシャツ、なおしといて。古いヤツはほっといて』 どれが関西弁かおわかりですか?
実はこれら、マーカーにしたフレーズが関西弁なんですね。
『この、さらのカッターシャツ、なおしといて。古いヤツはほっといて』
関西圏以外の方のために少し解説すると、「さら」=新しい、という意味です。さらの物を「さらっぴん」とも言いますね。
「カッターシャツ」が関西弁とは知りませんでした。ワイシャツというのが標準語で、その昔、大阪に本社があるスポーツ用品メーカーのミズノが襟付きのシャツを「カッターシャツ」という商品名で売り出したことから、関西ではカッターシャツと言うようになったらしいです。
「なおす」というと修理するという意味を思いつきますが、関西弁ではそれ以外に「片付ける」という意味も持ちます。私の叔母が埼玉に嫁いだとき、片付けることを「なおす」といって通じなかったと言っていたのを思い出しました。
「ほっといて」は難しいですね。「ほかす」とか「ほる」というのは捨てるという意味なので、「ほっといて」は捨てといてという意味になりますが、放っておくときにも「ほっといて」を使いますね。捨てるのかそのままにしておくのか、前後のニュアンスから判断している関西人はすごいのかも知れません。
私が高校生の頃、東京の喫茶店で『レーコー』と言って通じなくて、『コールコーヒー』と言ってもキョトンとされ、隣にいた東京の知人が「アイスコーヒー」と言い直して通じたことがありました。逆に私は「アイスコーヒー」と言われて凍ったコーヒー、フローズンコーヒーを想像してしまいました。今では関西でも『レーコー』(冷コー)は通じなくなってきたようで、一抹の寂しさを感じています。
(一丁噛)