Q-info 第185号 2023年5月発行 【“一丁噛”が行く!】
第171回:ロボット審判
WBCの熱が覚めやらぬうちに日本でもプロ野球が開幕しました。今年は我が阪神タイガースが18年ぶりに“アレ”ができるかどうか、大変楽しみなシーズンとなっていますが、アメリカ大リーグでは大谷翔平の人気もさることながら、今年から導入された「ピッチクロック」というルールが話題になっています。そのルールとは、ピッチャーは一定時間内に投げなければボールの判定が下り、打者は一定時間内に構えなければストライクと判定されるというものです。大谷翔平もこのルールに伴い投げる前にボールの判定を受けたことがあります。このルール、いろいろと物議をかもしているそうですが、もう一つ話題になっていることがあります。それはロボット審判の導入です。
ストライクとボールの判定にデジタル技術を使って、ロボットが判定するというものです。大リーグ機構(MLB)が今季から3Aで導入する方針であるとメディアが報じています。確かにストライクとボールの判定はしばしばトラブルを起こしています。なにしろ人間が判断することですから間違いもあります。それ故にロボットで厳格に判断しようというものですが、これには賛否両論があるようです。
キャッチャーと審判との掛け引きや、その日の審判のクセ(低めでもストライクにしてくれるとか)を見抜いて投球を組み立てるなど、それぞれ選手の技量のうちと言われるところもあり、それがまた野球の面白さの一面ではないかとも思います。
サッカーではVAR(ビデオアシスタントレフェリー)というものが導入され、ワールドカップで世界中の話題となった“三苫の1mm”が起きました。後日、ボールがライン上に残っていたのはわずか1.88ミリだったと判明したそうですが、野球の場合、果たしてミリ単位の判定が必要なのかどうか、まだまだ議論は続きそうです。
(一丁噛)