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Q-info 第121号 2018年正月発行 【読者訪問】

カテゴリー[コラム/Qinfo, 読者訪問]

読者訪問 第96回

お伺いした会社  野口株式会社
お話を伺った方  代表取締役 野口 誠 さん
会社の所在地   〒604-8233 京都市中京区油小路通四条上ル藤本町544
連絡先など    TEL 075-211-3551  FAX 075-211-3260
事業内容     染呉服製造卸業

 今回は1733年に創業され、今年創業285年目を迎えておられる野口株式会社様を
お訪ねし、第10代目の社長にあたられる野口社長にお話を伺いました。

 和装業界の中でももっぱら染呉服の製造卸をなさっており、女性向けを中心に
自社で企画から製造まで一貫してやっておられます。

特にオリジナルで企画したものやお客様からのオーダー(別注)を受けて
製造するものを得意となさっており、既製品と一線を画した営業展開を
なさっています。

「既製品は無難で個性のないものが多く、画一化された感じがする。
また同じもの同士で価格競争に巻き込まれる恐れもある。しかしオリジナルな
着物は、趣味のものとして、マニアックなものとして付加価値を生み出し、自社の
ファンを形成することができる。経営環境が厳しい和装業界の中にあって、
しっかりと“継続戦略”を構築していくことが大事」だとおっしゃいます。

成熟した市場の中での身の丈に合った商いを保っていくためには、
“成長戦略”ではなく地道に「継続」していくことが将来に向けて大切だと。

300年近くの歴史を持った商家だけにその言葉の重みを感じました。

 着物は卒業式や成人式、結婚式など人生の節目で着ることが多く、親から
子や孫へ思いを伝えるものとして、そしてまた、日本の文化を象徴するものとして、
これからも着物を愛して下さるファンを大切にしていきたいとおっしゃいます。

 そんな社長にとって、最近のレンタル着物ブームについて聞いてみました。
「レンタル着物は素材やデザイン、更に着付けまで総合してみてみると本来の
着物文化とは違う」とおっしゃいました。

たしかに昔からの和装とはほど遠い格好で闊歩している外国人をみていると、
日本文化に触れたと思われるのが悩ましく、ありがた迷惑だとおっしゃる気持ちが
よく分かります。

 同社では2~30年前からコンピュータを導入されてきたそうです。2年ほど前に
パソコンのクライアントサーバーシステムに入れ替えるにあたり、シスポートの
『ごふくQ』をご選択いただきました。

社長ご自身は以前、ある会社でコンピュータ関連の仕事に就いておられたことが
あり、システムの入れ替えの難しさをよく知っておられました。

旧システムと新システムを並行稼働させながら時間を掛けて移行していった
シスポートのサポートに満足しているとおっしゃって下さいました。

 本社の向かいにある“野口家住宅”は、享保年間より代々呉服商を営んできた
野口家の建物で、小堀遠州とゆかりの書院を有する由緒ある歴史をもつ
町家として、昭和58年に京都市指定有形文化財に指定されました。

 パソコンを活用しながら事業の継続戦略を地道に実践するとともに、
日本の歴史と文化も継続して守っていって下さる同社の姿勢に感服しながら
帰路につきました。

 (米田)