Q-info 第153号 2020年9月発行 【“一丁噛”が行く!】
第143回:AMラジオがなくなる?
ちょうど1年前の昨年8月、総務省の有識者会議が、日本民間放送連盟(民放連)が要望していたAMラジオ局のAM放送廃止とFM放送への転換を容認することで一致しました。
現在、大半の民間のAMラジオ局は補完放送としてワイドFM放送をしていますが、AMとFMの両設備を維持するには経費的にも厳しいとして、比較的簡易な設備で送信できて低コストとなるFM放送のみとすることを可能にする制度改正を求めていました。
右の表に示すようにAM放送は、例えば送信設備として広い敷地に高さ100m規模のアンテナが必要であったり、いろいろと大規模な設備が必要であるのに対して、FM放送は小規模な設備で放送が出来る、建物内での受信もしやすくなる、音質が良いなどの特徴があり、民放連ではFMへの一本化を望んでいました。
現在、補完放送として放送しているワイドFMは90.0MHz~94.9MHzという周波数帯域を使うため、従来のFMラジオでは聞くことが出来ずワイドFMに対応したラジオが必要となりますが、AM放送の廃止は早くても2028年以降となりそうで、それまでにはワイドFM受信機も普及するのではないかと思います。
ちなみに、筆者の車のラジオも既にワイドFMに対応しており、いままで京都では入りにくかったABC朝日放送のナイター中継をクリアに聞きながら帰ることが出来、ワイドFMの恩恵を享受しています。
野球放送がクリアに聴けるのと、某チームが勝つのとはまったくなんの関係もなく、クリアに聞けるのがいいのか悪いのか、悩ましいところです(^^;
(一丁噛)