Q-info 第151号 2020年7月発行 【一丁噛が行く!】
第140回:永久劣後ローン
最近、『永久劣後ローン』という言葉を頻繁に耳にします。というのは、中小企業家同友会が立教大学名誉教授で中小企業支援組織「スモールサン」を主宰する山口義行氏の提案に賛同し、その実施を求める運動をはじめだしているからです。
永久劣後ローンとは、返済する際の優先順位が他の借り入れと比べて低い「劣後ローン(れつごろーん)」の内、その期間が「永久」であるようなローンのことで、山口氏は現在の新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済混乱について、「全世界同時に経済活動が止まり、かつ収束の見通しが見えないなかで、多くの企業で資金繰りが悪化し、資本の欠損を招いている」と指摘し、さらに、「無利子で借りても5年後に返済が始まるならば、借りる勇気が出ないという企業は多い。そこで疑似資本の役割を果たす資金を中小企業に注入する仕組みが必要だ」とおっしゃっています。
また、6/13の衆院国土交通委員会で公明党の岡本三成議員が、事業者に安定した資金を供給できる資本制ローンの有用性を強調し、返済順位が低い『永久劣後ローン』などの資金を中小企業に注入する支援策を要請し、金融庁側も「事業者の経営継続にとって非常に有効な手段の一つだ」との認識を示したそうです。
私たちもその仕組みを更に勉強すると共に、その実現を目指して行きたいと思います。
(一丁噛)