Q-info 第127号 2018年7月発行 【読者訪問】
読者訪問 第102回
お伺いした会社 Medico-tec株式会社
お話を伺った方 宿野 秀晴 さん
会社の所在地 〒604-8846京都市中京区壬生西桧町17番地2
連絡先など TEL 075-321-4950 FAX 075-321-4951
事業内容 MD(メカトロニクス&ディスプレイ)事業、展示装置設計・製作・設置
URL http://www.medico-tec.co.jp/
今回は大変ユニークなお仕事をなさっているメディコテックさんに宿野社長を訪ねました。
科学館や博物館等の展示装置、商業施設や企業PR施設等の演出装置、製品化に向けての試作装置、各種メカトロ製品などの設計・製作・設置をなさっている会社です。
独自のMD技術を武器に、新しいジャンルへの挑戦を続けておられます。
同社の事業はMD事業とおっしゃっていますが、MD事業とはメカトロ技術とディスプレイ技術を融合した新しい形態の事業のことを指し、デザイン系、メカトロ系、システム系の技術を融合させて、単なるものづくりではない総合的なプロデュースをすることを指しています。
宿野社長は岡山県のご出身で大阪の大学をご卒業後京都の精密機械メーカーに就職されました。入社するなり新分野の勉強だということで内装空間デザインを担うデザイン会社に出向されました。そこで7年間ほど内装やデザインの勉強をされ、帰社後、メカトロ技術とディスプレイ技術を融合した新しい形態の事業を提案し「MD(メカトロニクス&ディスプレイ)事業」を立ち上げられます。高度成長期とも重なり行政があちこちで作るハコモノの中身の製作に邁進されます。その後バブルが崩壊し、勤めていた会社ではMD事業の継続が難しくなったことから同社を退社され2003年9月にMedico-tec株式会社を設立されました。
メカトロニクスとディスプレイ双方の視野を持ったユニークな技術集団の会社で,そのユニークさが同社の強みとなって各地の展示場などに各種装置を納入しておられます。近年では、京都鉄道博物館体験型展示装置やパナソニックショールーム熱交換素子体験装置の設計及び製作設置、向井千秋記念子ども科学館「自転車発電装置」設計及び製作設置などがあります。
工場を持たないいわゆるファブレス企業として、いろいろな方面の技術者や会社と提携しながら夢のある展示物などの開発に力を注いでおられます。
同業はどんなところがあるのですかとお尋ねしたら、同じような形態の会社はほぼないのではないかとおっしゃる宿野社長の目には、技術力や経験をもとにした自信のほどがうかがえました。
最近はネットからの引き合いも多く、海外からもいろいろな相談が寄せられるとか。中国では毎年10件程度の科学館や博物館が建っているそうで、日本の展示会場のコピーものを作りたいというニーズが高いそうです。
日本ではまだまだ運営面が弱いので、学校教育と連動した展開がこれから必要となるのではないかとおっしゃっていました。
若者の感性をベースにしながらいろいろな可能性を追求し、新たな市場の創造にチャレンジしてみたい。ワークショップなども開設し、若者と一緒になって夢を形にしていく仕事がしてみたい。
そんな10年ビジョンを熱く語っておられる宿野社長に日本の未来を期待しながら同社をあとにしました。
(一丁噛)