Q-info 第109号 2017年01月発行 【読者訪問】
読者訪問 第84回
お伺いした会社 株式会社川中
お話を伺った方 常務取締役 川中 亨 さん
会社の所在地 〒602-8446 京都市上京区五辻通大宮西入
連絡先など TEL 075-431-0101 FAX 075-441-4871
事業内容 西陣織物産地卸売業
京都の代表的な産業のひとつに西陣織がありますが、昭和10年に創業されその西陣という
エリアの真ん中で西陣織の卸売業を営んでおられる(株)川中さんをお訪ねし、川中常務に
お話をお聞きしました。
同社の取扱商品は帯が80%ほどを占めており、その他は着物が少しとコートやハンドバッグ、
和装小物などだそうです。
和装業界では、メーカー → 産地問屋 → 前売り問屋 → 小売店という流通形態がベースだそうで、
その中で同社は産地問屋にあたります。和装繊維業界の複雑な流通機構の中で最も重要な役割を
果たしている西陣織物の産地問屋として全国の市場を結び、京都ブランドの西陣織の普及に
大きく寄与されています。
近年はメーカー直販などもあったりして、従来の流通形態もかなり崩壊してきているそうです。
しかしながら、『築いた信頼、活かそう未来へ』という理念のもと、かたくなに従来の流通を
守ってきておられ、流通機構が発揮するリスクの分散を図って業界の安定的な発展を目指して
おられます。
しかしながら、結婚式で着物を着る人が減ってきていたり、少子化や職人の高齢化、織機の
老朽化など、和装業界を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。そのような厳しい環境の
中で業界内ではまだまだ淘汰が進むだろうとおっしゃっておられましたが、だからといって
和装がなくなるわけではないので、淘汰されずに生き残っていれば必ず希少価値を発揮して
着実な経営を推進できるだろうとおっしゃっておられました。
コンピュータシステムはオフコンの時代から導入し、何度かの入れ替えを経て使って
おられたのですが、担当SEが辞めたりそのあとのフォローが良くなかったりで、
パソコンシステムへの切り替えを検討している最中に展示会で弊社の『ごふくQ』を
ご覧いただき、今年、同システムをご導入いただきました。
「コンピュータ業界の人は呉服業界のことを知らない人が多く、前システムの時に
大変苦労したけど、シスポートさんは業界のことにも明るくすんなり導入することが
できて満足している」とお褒めの言葉を頂戴しました。
街を歩けばレンタル着物を着た外国人が大勢闊歩しています。もちろん日本人も
レンタル着物を着て歩いている人が増えました。そして夏になれば浴衣姿の女性が街に
あふれます。
着物を着たいと思う人がいることは間違いなく、
「京都は着物が似合う町」
と川中常務おっしゃるとおり着物が似合う町に着物姿の人が増えることを
願いながら帰路につきました。