Q-info 第101号 2016年05月発行 【読者訪問】
読者訪問 第76回
お伺いした会社 巽紙工株式会社
お話を伺った方 代表取締役 巽 功一 様、岩城 美加 様
会社の所在地 〒537-0025 大阪市東成区中道2-2-7
連絡先など TEL:06-6981-5821 FAX:06-6981-5623
事業内容 上製本、手帳、バインダー等、厚紙表紙加工業
今回は大阪森ノ宮の巽紙工さんにお邪魔し、巽社長と妹さんの岩城さんにお話を
伺いました。
現社長は三代目なんですが、お父上である前社長がご病気になられたのを機に入社され
38歳の若さで社長に就任されました。
同社は現社長の祖父にあたられる初代社長が昭和22年に創業され、手帳の表紙作りから
はじめられたそうです。先代社長の時に上製本用の厚手の表紙の製作に特化されて
いったそうです。
本の製本には、パンフレットやカタログ、雑誌などによく使われるの簡単な並製本と、
中身を糸でしっかりと綴じ、別仕立ての厚い表紙でくるむ上製本があります。
いわゆるハードカバーというものですが、この厚手の表紙は、厚めの紙やビニールで
表紙を仕立てるものから、上質の布でくるみ、本の題名を金箔押しした重厚な雰囲気の
ものまで様々あります。
いずれも手作業の多い仕事で効率が上げにくいのですが、先代社長は西日本で
最初にドイツ製の自動機を導入され、機械化の先駆的工場として業績を上げられました。
今も1台何千万円もする機械が何台も稼働しており、先代社長の先見の明には
頭が下がるとおっしゃっていました。
しかしながら、昨今は本の需要は低迷してきており、職人の高齢化と相まって
廃業される同業者も多いとか。
現在、大阪で同様の仕事をしているところは2~3軒だそうですが、その中でも機械化が
進んでいる強みと、断裁~加工~箔押しなどの一貫製造ができる強みを活かして、
頑張っておられます。
さらに本以外のジャンルへの進出、例えば、化粧品の箱とか、賞状のカバーとか、
ホテルのチョコレートの箱とか、いわゆる化粧箱といわれるものへの対応を
拡大されておられます。
手作業の多い業種ではありますが、いち早く機械化を進められ、また、事務作業に
おいても20数年前のMS-DOSの時代に当社の『はんばいQ』を導入していただいて
業務効率の向上を図ってこられました。
一貫生産での短納期対応を武器に、パッケージ関係ラインナップの裾野を広げながら、
その業界でのいわゆるニッチトップとして更なるご発展をされますことを
心から祈念いたしております。